燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「……そうなの?」
「だって医者って言うだけで本当に何も知らない人と結婚するって覚悟はしてたから。拓海で良かった! これが夢じゃなくて、現実になればいいのに!」
「……えっと……なら、よかった」
「あたし、あの時会っただけだけど、拓海が初恋だったもん」
つばめちゃんはあっけらかんと言う。
今のつばめちゃんだからこそ、言えることだ。
それを聞いて、僕の胸にはじわじわと熱いモノがこみあげてきた。
(……なにそれ。すごく、嬉しいんだけど……)
時を超えて届いたその告白は、自分の人生のすべてを変えるくらい衝撃的で
愛しかった。
それに、つばめちゃんの顔で、声で、
そんなことを言われたら嬉しくないわけがない。