燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「そうよ! 拓海!」
次の瞬間、つばめが僕に抱き着いてくる。
ちょ、それは、だめだ!
僕は今までにないほど慌てた。
しかし彼女は離してくれない。
僕は、何度も息を吸って吐いて、
そしたら余計に彼女の感触も匂いも身近に感じられすぎてしまって。
最後は結局我慢できなくなって、
僕はその背中にゆっくり腕を回して、遠慮気味に彼女を抱きしめた。
はじめて抱きしめた彼女の感触は、
一生忘れないだろうと思った。