燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
『それでね、思い出してたの。最初出会ったときのこと。もしさ、つばめちゃんの記憶がもとに戻って、それからずっとさきでも……あの初めて出会った日のこと、もしつばめちゃんが思い出すようなことがあれば……これを一緒に聞いてほしい』
初めて出会った日。
つまり、それは病院ではなく、この公園での記憶のことだ。
「これは君が記憶をなくした3か月間のつばめで……キミ自身だ」
天馬先生が言う。
「やっぱり……」
そう思ったのは、私は今、不思議とその日のことを、
自分のことのように思い出していたからだ。