燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~

 それにしても、工藤先生と真紀さんはとてもお似合いで、
 最高のカップルで、

「真紀さんキレイ~~~、工藤先生もかっこいい~~~~」

 私は思わず言っていた。



「かっこいい?」
 ぴくり、と天馬先生の眉が動く。


 するとお酒の入ってきた一条先生は、
「そういえば、つばめちゃん、婚約者、工藤先生ならよかったのに、とか言ってたんでしょ?」
と、とんでもないことを言いだしたのだ。

「なんでそのこと……」
「つばめちゃんのお母さまから、この前ちらっと聞いたのよ」


(何言ってるの、お母さん!)


 確かに言った。いや、あの時、他に独身の先生が思いつかなかっただけなのだが。
 言い訳しようと天馬先生を見るが、時すでに遅し。


「ふうん」

 絶対零度の冷たい声が隣から聞こえて、私の酔いは一気にさめた。

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