燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~

 式が終わり、
「今日はありがとね」
と工藤先生が笑う。

「ほんと、いい式でした!」
 私が言うと、ちょうどその時隣にいた大熊さんも頷いていた。


 すると、工藤先生は大熊さんの手を握り、

「頑張ってくださいね」
と笑った。


「……知ってたのか」
「ふふ。僕って心療内科のエキスパートだから」


 何のことかさっぱりわからなかったけど、私は諸事情もあり、
 ずっと大熊さんの近くにいた。

< 341 / 350 >

この作品をシェア

pagetop