燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


 いろいろと考えを巡らしていると、

「また、ぼんやりしてないで。早くしないとここでキスするよ」

 そう言われて、私は言われた意味が一瞬で理解できなくて固まる。

(は? この人、何言った?)

 やっと言葉の意味が理解でき始めると同時に、本当に顔を近づけてきた。

「ひぃっ!」
 私は思わずその顔を慌てて止め、「わかりました! わかりましたから!」と叫ぶと病室へ飛んで帰る。

 ちょっと待って。
 なんなの。天馬先生。なにがあったの天馬先生と私!

 そして帰ったらなにされるの、私―――!



< 36 / 350 >

この作品をシェア

pagetop