燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
3章:ふたりの生活の始まりと告白
診察に天馬先生が付き添ってくれて、診察結果も異常なしで、私は晴れて退院となった。
なんだか先ほどのメッセージの意味をぼんやりと考えているうちに、完全に逃げるタイミングもなくしていた。そう気づいたころには、もう天馬先生のマンションに着いてしまっていたのだ。
「あ! 私、いろいろと忘れてしまったので、ちょっとコンビニに行ってきます」
「何忘れたの?」
そう問われて、私は苦し紛れに
「タオル」
「ある」
「はぶらし」
「ある」
「えぇっと、生理用品!」
「あるってば」
それはないと思ったのに!
あぁ……! そういえば、そもそも一緒に住んでたんだっけ……。