燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


「好き⁉」
「そう。んー、5年くらい前かな」
「それって婚約より、前……?」

 私が驚いて聞くと、天馬先生は、当たり前でしょ、と頷いた。



「だから、つばめが誰かと婚約する話が出そうになった時、自分から手を挙げた」

 次々と新しい事実が出てきて、私は完全にパニックだ。
 いや、記憶失くしてるだけでもわけわかんないのに、なんで今そんな告白するの!



 でも、なぜか私は聞きたくなってる。

 私の記憶にある天馬先生。ただ、毎月一回、一緒にカフェでお茶をしていたときの……。
 あの時の天馬先生がどう思っていたのか聞いてみたい。

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