燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~

「や、やっぱり、私たち、今までそういうこと……してました?」
「え?」
「キスとか……え、エッチとか……当たり前にしてました?」


 と聞いてみたのも、自慢じゃないが、私はキスもエッチもしたことがないからだ。
 別に大事にとってきたわけではないが、知らない間にそれが全部『初めて』ではなくなっているとしたら、衝撃的な事態だと思う。

 そう思ったのだけど……。



じっと見つめる私を見て、先生は困ったように、

「本当に聞きたい?」

と言う。

「……や、やっぱいい! 聞かないです!」

< 56 / 350 >

この作品をシェア

pagetop