燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~

 どうしたらいいのかわからず、でも、先生にそうされることで、なんだか胸が痛くて、熱くて、叫び出したくなる。
 固まっていると、先生は私が自分の口元を抑えていた両手をそっと取る。


 そしてそっと自分の唇を近づけてきて、もう私と先生の唇と唇の距離は数cm……。

 どうしよう。どうしよう!
 覚悟して、ぎゅう、と目を瞑る。

 その時、大きなコール音が室内に響いた。


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