燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


「先生、電話……」
「……」

 先生は非常に残念そうな顔をした後、すぐに私から離れ、電話に出る。

「はい……はい。すぐ行きます」

 先生は今まで私と話していたような声じゃない、お医者さまの声でそう言うと、すぐにカバンを持った。
 その間も、私の胸はドキドキとうるさくて……私は胸を抑えていた。


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