燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


「起こした? ごめん」
「……帰ってきたの? 寝てないの?」
「あっちで仮眠した。ちょっとつばめの寝顔見てただけだから」

 先生は苦笑する。



「先生も、寝ます?」

 私が言うと、先生は少し考えて、口元を手で覆う。


―――え? どうしたの?


 私が聞き返そうとすると、先生は、

「じゃあ、僕はシャワー浴びてくるね」

と立ち上がって後ろを向く。

< 74 / 350 >

この作品をシェア

pagetop