燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~


「え……」

 私が固まると、先生は、いたずらが成功した子どもみたいに楽しそうにクスクス笑う。

「嘘だよ。からかってごめんね。やっぱり3か月前のままなんだなぁって思っただけだから」

 先生は言った。からかったの⁉ ひどい!
 私がむぅ、と膨れると、先生はますます笑った。


 っていうかさ、3か月間の私!
 これ普通に対応してたの⁉

 すごすぎる……。
 どうやったら慣れるの、こんな天馬先生。

 いつになったらこれに慣れるの……。3か月じゃ無理よ。
 そもそも私自身、慣れる気はあるの?

 自分で自分が分からなくなってる……。


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