燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
「それで? スマホ見て何かあったの?」
一条先生は私に続きを促す。
「記憶のない時の二人の……私と天馬先生とのやり取りとか、写真とか……私は全く覚えのないものが入ってて」
「見ても、なにも思い出さなかった?」
「はい」
私は頷く。
一条先生は思い出せないことに私が落ち込んでいると思っているようだ。
「あの、私どう言ったらいいのか。もやもやしたんです。仲良さそうな写真とか、メール見て」
「……それって、つまり、ヤキモチ?」
そう言われて、あの感情をズバリと言い当てられたような気がした。
そもそもヤキモチなんて初めてやいたし。
それも自分が相手だなんて、我ながら変だ。