燕雀安んぞ天馬の志を知らんや。~天才外科医の純愛~
6章:3か月目の約束と本音


 それから2か月は驚くほど速く過ぎた。

 でも、先生は、キスしたり抱きしめたりするくせに、一線を超えることだけはない。私はそれに少し安心しながらも、少しだけ、もどかしく感じはじめていた。


(進んでもいいって思ってるけど、自分からは恥ずかしくてなかなか言い出せないものなんだよなぁ……)


 そんなことを思って、朝、目を開ける。
 すると、毎朝恒例のように、天馬先生が私を抱きしめていた。

 わ、と声を出しそうになって、口を無理やり閉じると、もともと起きていたのか、天馬先生がクスクス笑って目を開ける。

< 97 / 350 >

この作品をシェア

pagetop