聖女の曾孫
せめて蒼白くなれていたら、ちょっとは綺麗だったかもしれないのに。
古書に埋もれすぎて、埃塗れで、土気色なんて……
「どうだ。気分転換に紅茶でも飲みに行かないか?」
「……」
「……その、気が乗ればの話だが」
「……」
幻聴?
なんだか、とても、素敵なお誘いが聞こえたような気がしたのだけれど。
「紅茶……?」
「その……最近は、気苦労が嵩んでいただろう。これを言えた義理ではないが、仕事に没頭しすぎるのも体に毒だ」
「その節は御迷惑を……」
「気にするな。いつだって、力になりたいとは思っている」
「……」
疲れで、幻を見ている?