春永すぎて何が悪い?
他の2人は一度店や家に戻ってから参加とのことだった。

及川くんの隣を並んで一緒に店に向かう。

やっぱりほのかにいい香りがするなあ。
なんなんだろ、香水?柔軟剤?

「及川くんって彼女いるの?」

及川くんはチラリと私を見た。

「いないよ。今年になってからだから、半年以上いないなー。」

信号につかまる。
並んでみると、龍樹と同じくらい及川くんも身長高いことに気付く。

このタイプの人と今まで接点なかったな。

というか、私はもしかしたら龍樹と付き合ってからそんなに異性と縁がなかったのかもしれない。

「でも及川くん、彼女途切れなさそう。」
「いやー、付き合うんだけどさ、休み合わないじゃん。次付き合うなら同業者の人の方がいいなー。」

気のせいか目が合う。

私の意識しすぎだ。

「そうだよね。」

視線のやり場に困って、なかなか青にならない信号に意識を向ける。

私と龍樹も全然休みが合わない。
私が龍樹の店の休みに合わせれば済む話なんだけど。
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