春永すぎて何が悪い?
歩きながら、すぐ近くの私のマンションの前に着く。
ここまでだ。
夢に見た念願のデートが終わる。
「今日はありがと。また何かあったら相談するね。」
龍樹さんは笑顔でヒラヒラと手を振って、背中を向けた。
「また何か」、ありますように。
龍樹さんが行ってしまう。
デートが終わる。
「あの」
龍樹さんが「ん?」と振り返る。
ずっと、ずっと考えてたことを言うんだ。
頑張れ。
頑張れ、私。
「昨日、カレー作ったんですけど、かなり美味しくできたんですけど、たくさん作っちゃって。食べていきませんか。」
一昨日から考え続けたセリフを言い終わる。
心臓が破裂しそう。
恐る恐る龍樹さんの目を見た。
龍樹さんは口元に手を当てて、ちょっと驚いたような、何かを考えるような表情をしている。
「あー、ありがとう。」
そんな言葉が第一声で出てきた。
「グリズリー仕込みのカレーなら間違いなく美味しそうだね。」
「辛めに作ってます。」
「間違いなく美味しいね、それは。」
ちょっと龍樹さんが微笑む。
「でも、ごめん。」
「えっ。」
「奈穂ちゃんにバレるのが、怖い。」
龍樹さんはそう言って歯を見せて笑う。
ここまでだ。
夢に見た念願のデートが終わる。
「今日はありがと。また何かあったら相談するね。」
龍樹さんは笑顔でヒラヒラと手を振って、背中を向けた。
「また何か」、ありますように。
龍樹さんが行ってしまう。
デートが終わる。
「あの」
龍樹さんが「ん?」と振り返る。
ずっと、ずっと考えてたことを言うんだ。
頑張れ。
頑張れ、私。
「昨日、カレー作ったんですけど、かなり美味しくできたんですけど、たくさん作っちゃって。食べていきませんか。」
一昨日から考え続けたセリフを言い終わる。
心臓が破裂しそう。
恐る恐る龍樹さんの目を見た。
龍樹さんは口元に手を当てて、ちょっと驚いたような、何かを考えるような表情をしている。
「あー、ありがとう。」
そんな言葉が第一声で出てきた。
「グリズリー仕込みのカレーなら間違いなく美味しそうだね。」
「辛めに作ってます。」
「間違いなく美味しいね、それは。」
ちょっと龍樹さんが微笑む。
「でも、ごめん。」
「えっ。」
「奈穂ちゃんにバレるのが、怖い。」
龍樹さんはそう言って歯を見せて笑う。