春永すぎて何が悪い?
駅前で及川くんが待っていた。
私を見つけてほのかに笑顔になる。
私は及川くんに歩み寄る。
「ごめん、急に。」
「全然。いつでも来てよって言ったし。」
いつもよりラフな白いTシャツに、グレーのパンツ。
部屋からフラッと出てきたような格好。
及川くんのヒゲの口元が笑う。
さりげなく、自然に手を繋がれる。
「うちちょっとここから歩くよ。」
そんなことを言いながら、途中コンビニ寄って線路沿いの彼の家へ向かった。
入った瞬間、玄関でフワッとレモングラスの香りがした。
シンプルでモノがなくて、服だけアパレルショップみたいに飾られるように収納されてる。
男一人暮らしだと、こんなにモノがないんだ。
うちの生活感溢れる部屋とは違う。
台所も、自炊してないんじゃないかと思うほど何も出てなかった。
ベッドの上。
大きな絵が飾られてる壁際にもたれかかる。
あー、着替え持ってこなかったなーなんて思いながら。
いつか家に帰らないと。
「何あったの。」
及川くんが私の隣に座る。
少し当たる腕と腕。
「なんか、龍樹、やっぱりダメだった。」
私はそう言って隣の及川くんの目を見る。
及川くんが私の目を見る。
その後に私の唇を見た。
なんでこの気持ち、及川くんには通じるのに、龍樹には通じないの。
私を見つけてほのかに笑顔になる。
私は及川くんに歩み寄る。
「ごめん、急に。」
「全然。いつでも来てよって言ったし。」
いつもよりラフな白いTシャツに、グレーのパンツ。
部屋からフラッと出てきたような格好。
及川くんのヒゲの口元が笑う。
さりげなく、自然に手を繋がれる。
「うちちょっとここから歩くよ。」
そんなことを言いながら、途中コンビニ寄って線路沿いの彼の家へ向かった。
入った瞬間、玄関でフワッとレモングラスの香りがした。
シンプルでモノがなくて、服だけアパレルショップみたいに飾られるように収納されてる。
男一人暮らしだと、こんなにモノがないんだ。
うちの生活感溢れる部屋とは違う。
台所も、自炊してないんじゃないかと思うほど何も出てなかった。
ベッドの上。
大きな絵が飾られてる壁際にもたれかかる。
あー、着替え持ってこなかったなーなんて思いながら。
いつか家に帰らないと。
「何あったの。」
及川くんが私の隣に座る。
少し当たる腕と腕。
「なんか、龍樹、やっぱりダメだった。」
私はそう言って隣の及川くんの目を見る。
及川くんが私の目を見る。
その後に私の唇を見た。
なんでこの気持ち、及川くんには通じるのに、龍樹には通じないの。