春永すぎて何が悪い?
及川くんがフワッと口をつけてきた。

すごくすごく軽いキス。

及川くんが横から正面に移動する。

布団の上の私の両手を手に取って、また顔を近づけてきた。

すごくスローなテンポで私の唇をじっくり味わうようなキスをする。

私もゆっくり返す。

キスしながらたまに目が合う。

目を開けてする人なんだ。

たぶん及川くんもそう思ってる。

ほのかにヒゲもあたる。
龍樹はヒゲを生やしたことないから新鮮だった。

そして及川くんのキスは、龍樹よりずっと上手かった。

「及川くん、キス上手いね。」
「それは俺が上手いんじゃなくて、龍樹のキスに愛がこもってないんじゃないの。」

繋がれた両手を見ながら及川くんは言う。
つらい一言。

おでこにキスをしてきた。

そしてゆっくりベッドに倒される。
寝ながらキスを続けた。

そして、エッチもした。
龍樹とはいろいろ違った。
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