春永すぎて何が悪い?
「大丈夫?吐かない?」
「吐かないよ!」

私が笑いながら龍樹の胸を叩くと、龍樹が笑いながらさっき着せてくれたTシャツをゆっくり脱がせてくれる。

「おかえり。」
「ただいま。」

正座のまま、またキスをした。

「龍樹ー。」

龍樹に抱きつくと、一緒に倒れ込む。

「まったく、もー。」

龍樹はそう言いながらも私の頭を撫でてくれる。
そして慣れた手つきで下着を外してくれた。

上も下も。
そこらへんに放つ。

龍樹も雑に自分の服を脱いで、そこらへんに投げる。

素肌が触れ合うのが久しぶりで、そしてやっぱりこの体が好き。

マンネリかもしれないけど、刺激的じゃないかもしれないけど、全然変化ないかもしれないけど、これが私たちだ。

「もう一回キスして?」
「えー、また?」

龍樹が照れながら、また唇にしてくれた。
いつも淡白なのばっかなのに、少し濃いめ。

龍樹は10年も経つけど、結構な照れ屋だ。

付き合って10年。

初めて中に出させてあげた。
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