6人のイケメン兄弟達と逆ハーレム暮らし❤︎
 軽々と回避をしたと思えば、そんな優しい声を出す。

 逆に怖くてたまらない。

「本気……か……」

「うん!葉月ちゃんは強いよ!久しぶりに楽しめそう!」

「えっ……?」

「こう見えて、私——」

 ゴンッ!!とグロテスクな音が鳴り響いた。

 だけど、莉乃におみまいした渾身の一撃の痛みは、オレに走った。

「ゲホッ!ゲホッ!」

「ご、ごめんね!強くやりすぎたっ……大丈夫?殴ってもいいよ、動かないから」

「そんなの……いい!!」

 また殴りかかっても、攻撃は回避される。

 それどころか、一瞬で背後に入られて、首の後ろを突かれた。

 視界が狂って、意識が飛んでいくことがわかった。

「——ん。——月ちゃん。葉月ちゃん!!」

「んっ……り……の?」

「よ、よかったぁ……!!ごめんね、気絶させちゃった……これ以上、葉月ちゃんと戦うと、悲しくなっちゃうって思って……」

「悲しくなる?」

「お友達とお友達をかけて勝負するって……なんか寂しいんだ……」

 わぁ……みたことがないぐらい綺麗な感情を表した表情……。

「どっちにせよ勝負はついた。だから、悲しそうな顔すんな」

「あ、ありがとう……!!」

 オレはこの、優しい可愛い友達を、守ることは強さ的にできなくても、守りたいと心からおもむた。

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