涙の雫~1つの波紋が波になる~
名前
何気なく聞いた
貴方の名前
すぐに
反応して
振り向くことは
したくなかったんだ
でも
貴方を見ることなんて
ほとんど無いから
嬉しかったんだよ
ひと目で良いから
見たかったんだよ
けど
見ることはできなかった
用事も無いのに
わざわざ見に行くと
怪しいじゃない
そんなの
年甲斐もなく
恥ずかしいじゃない
不思議だよね
名前を呼ぶと
少し距離が
縮まる気がする
だから
いつも心の中で
名前を呼んでみるんだ
誰にも聞こえないし
何も起こらないけど
直接
貴方自身を呼ぶことは
できない私
貴方は
私を
どう思ってて
どう感じてるの
私が話に行っても
他の人の様に
接してくれないよね
パッとみると
顔を背けるよね
様子を伺う様に
見てたら
不敵な顔で
微笑んでるよね
私って
嫌われてるのかなぁ
嫌われてるなら
徹底的に嫌われたい
見つけて
騒ぐ年齢でも無いし
けど
緊張して話す事も
なかなかできない
嫌いなら嫌いで
貴方に近づきもしないよ
曖昧な態度を取るなら
はっきり嫌いって言ってほしい
その方が諦めもつくんだから
~名前~
END