縁は異なもの味なもの
「あの、井上主任は、井上不動産では役職はどちらへ…」

「大輔、言って大丈夫か?」

「はい。ただ私も引き継ぎしてからなので、
北村部長、まだ、他言無用でお願いします。
私は、副社長として井上不動産へ戻ります。」

「へ! 井上不動産の副社長!!
じゃあ…… 人事部も知らないのですね。」


「秋に正式に辞める手続きはしますが、
井上不動産での役職までは、伝えません。
もし、社内で大輔の実家の事や、役職の件が漏れて問題が起きたら部長には左遷してもらいますからね〜!
気をつけて下さいよ〜
特に、不倫相手にペラペラ喋らないようにね!
2人共、僻地へ飛ばしますからね〜」

「私は、不倫なんかしてません!
愛する妻、一筋ですから! 
そんな馬鹿な事は、しません!」


「設計室は、
クリーンな人だけで良かったです〜 ハハハ」

樹は、不倫相手に捨てられた経理の樋口の相手が、
北村部長だったのを知っていた。
新しい不倫相手が社内にいたら大変なので、
釘を刺しておいた。
健太郎も知っているが、知らないふりをした。

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