縁は異なもの味なもの
玄関から康平が
「ただいま〜、お、兄さん!あれ?真央さんは?」

「おかえり。」

「お!康平、おかえり〜。真央は母さんと台所〜。今日は、お鍋らしいぞ!」

「ねぇ、父さん、真央さん大丈夫なの?」

「ああ、真央さんの心が広いからだと思うが、母さんと上手くやってて、2人は楽しそうだぞ。」

「兄さん、本当? マジで?」

「ああ、同居したいって言い出したのも真央でさ〜、
母さんの事は普通だって言うんだよ」

「前にデパートへ行った時は、どうだったの?」

「あの時も直美おばさんと3人で、ワイワイ買い物してたんだわ〜」

「俺の将来のお嫁さんの為にも、真央さんがクッションになってくれる事を願うわ!」

「本当に、真央さんは良い嫁さんだよ〜」

「そりゃ〜そうさ! 
オレがずっと片想いしていた子なんだから〜」

「父さん、兄さんのこんなデレデレしたのを見るとは思わなかったね! ハハハ。」

「嫁さんは大事にしろ! 真央さんは親戚も友達もいないこの土地にひとりで来るんだからな! 
ましてや家のルールや常識だって違うんだ。
女性は、結婚、出産、育児に旦那さんの事も考えてくれるんだから、
必ず、嫁さんの味方になってやれ!
思いやりをもって、声を掛けてあげろ!
家庭で出来ないようじゃ、会社でも出来ないぞ!」

「父さん、深い話だね〜。 
家族にできない事は、会社でも出来ないかぁ。
本当だなぁ〜、
家族を守る事は会社を守る事に通じるんだな」

「う〜ん、俺にはまだ早い話しかなぁ〜」
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