縁は異なもの味なもの
男性陣は、大輔が改築の話しで盛り上がっていた。

「自分の部屋を思い通りに作るなんていや〜 スゴイね!」

「もう、製図出来たのか?大輔」

「イヤ、まだなんだおじさん。もう少しかな?」

「真央ちゃんの方が家にいる時間が長いんだから、真央ちゃんの希望重視でな。」

「もちろんだよ〜。 
今、設計してる注文住宅がオレたちの理想に近いから、真似してるんだよね。」

「まぁ、我が社としては損失だが、目をつぶっておくわ〜」

「すみません社長〜ハハ。
ところで伯父さん。亮は秋にパリ行くまで何してんの?」

「亮は、部屋に籠もって、コンクール用の作品を描いてるわ。」

「日本のコンクールも出したの?」

「何に応募してるかは、わからないなぁ〜
まぁ、パリに行ったら、一生戻らないかもな!」

「確か…斉藤 拓海 建築事務所だよな!
亮は、スゲぇ〜よ。 言葉は大丈夫なのか?」

「あぁ。亮が小学生の頃に直美の一言で、
英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語を無理矢理習わされたから、
それが、役立ったみたいだわ〜」

「は? 4ヵ国語? オイオイ〜。
亮も反抗もせずによく頑張ったなぁ〜」

「大輔も、何ヵ国語も話せるの?」

「オレは、英語だけだよ〜! 
亮は、努力し続けたことが報われてるという事ですね。
あ、それと 斉藤 拓海は、
オレの大学の後輩になるんですよ。
オレが卒業してから入学してきたから、良くは知らないけど大学OBの間では、スゴイ腕のいい建築家と言われてるから
亮もスゴイ建築家になると思いますよ!」

「ありがとう。そうなってもらいたいわ。
樹なんか、有名な建築家になったとしても、たとえ安い仕事でも佐藤建築工業からの仕事は断るなよって言ってたわ〜ハハハ!」

「井上不動産としても頼んでおくか?大輔。ハハハ」

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