縁は異なもの味なもの
事件に巻き込まれる
健太郎が
「大輔、立川さん、大丈夫か?」

「伯父さん… ビックリして…まだ気が動転してるよ。」

「小山内は、自分が散々女子社員を弄んでたのに、大ちゃんのせいにして許せない!」
と樹専務にしては珍しく怒りを露わにした。

「小山内さんさ〜 "オレのせいだ"って叫んでたけどどうしてなんだ?」

健太郎と樹は、顔を見合わせてから…
「小山内はさ〜、大ちゃんの事が好きな女子社員に
"井上主任の情報を教えてあげるから飲みに行こう"
と誘ってさ、
言葉巧みに自分の不倫相手にして、
大ちゃんの個人情報を教えてたんだわ」

「はッ! 何それ!」

「今回の弁護士さん達の聞き取りで、他にも不倫相手に失敗したと思われる女性社員たちからのウラは取れてて、
受付の西山さんは、小山内を利用して大ちゃんの情報を聞いて、小山内と不倫して…
ブランド品なんかも買わせてたみたいだし、
小山内も西山さんとの関係を楽しんでたみたい。

会社として小山内は本社人事には置けないし、
社内不倫では解雇できないから、
現場監督に…したんだけどね…
あの様子だと、奥さんとも離婚したのかもなぁ」

静かな口調で健太郎が
「全て、自分が蒔いた種なのになぁ…
男の嫉妬は、醜いな。
ところで、
大輔、立川さん、明日は会社を休みなさい。
警察からも連絡が来るだろうし、
今日は、家に泊まった方が良い。
学にも連絡したら、俺ん家に泊まるように言ってたし」

「うん。じゃあさ、着替えを取りに戻ってから伯父さんちに行くわ。」

「ああ、じゃあ先に帰ってるからな。」

「大ちゃん、運転気をつけてね!
立川さんも、またあとでね〜」

「はい。よろしくお願いします。」

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