縁は異なもの味なもの
車が佐藤建築工業に到着した。

一応、私と雄大も降りて大輔さんを見送る。

会社の玄関に、樹専務が立って待っていた。

「大ちゃん! お疲れ様〜。
真央さんと雄大くんも一緒だったんだね〜」

「おはよう。樹専務。真央はこれから同期の大野さんとこに遊びに行くけどな!」

「そうかぁ! ユウ!いっちゃんが抱っこしてあげるから、おいで!」

雄大は、人見知りもせずに樹に手を出す。

「ユウ! 良い子だなぁ〜 ヨシヨシ〜」

樹は抱っこしながら、雄大の頭を撫でた。

「じゃあ、そろそろ行きますか!」

「ユウ、ママのところだぞ〜。ユウのパパはお仕事だからね〜! 真央さん、はい。」

樹から真央に抱っこされた雄大は大輔に向かって、
「ぱ〜 ☆*△」 と手を出す。

大輔は雄大に負けて、抱っこし、

「雄大。パパお仕事頑張るからな!
ママと良い子にしててな! 真央頼む!」

真央へと雄大を預けると、

「ふあ〜ん あ〜ん」
と泣き出したので、真央もすぐに車のチャイルドシートへ雄大を乗せて、

「じゃあ、すぐに行くね! 
樹さんも、大輔さんもお仕事頑張ってね!」

バタンとドアを閉めて出発した。

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