縁は異なもの味なもの
「あらあら〜、武田〜 二股だったの?
二兎追うものは一兎をも得ずって言うジャン!
残念だったね〜。
こんないい女性を逃しちゃって〜
立川さんは、我が社でも人気高いから〜
彼氏と別れるの
待ってた男性社員多かったんだよ〜
武田、
サユリちゃんならOKだと思うからさ〜この際、サユリにしとけば? 
浮気するくらいに魅力的だったんだろうし…」

「俺は… 両親にもサユリを紹介したけど…でも、真央が良いんだよ!」

「直樹。人生にはタイミングってあるんだよ。
私と直樹のタイミングは噛み合わなかった…
私は火事で何もかも燃えて無くなったの。
直樹との思い出の写真も、直樹が買ってくれたプレゼントもぜ〜んぶ!何もかも…
そんな私に手を差し伸べてくれたのが大輔さんなのよ。
だから、バイバイ。 さようなら直樹。」

「真央、帰ろうか。」

「うん。」

「井上主任〜明日、専務室に朝一番に来てよ!」

大輔は手を挙げてから、真央の肩を抱いて歩いて行った。

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