縁は異なもの味なもの
すると、受付から西山さん(24)がこちらへ歩いてきて
「立川さん、お疲れ様です!
あの、井上主任と婚約したって本当ですか?」

「はい。」

「ウワサは本当なんですね!
立川さんは、月曜日にこの玄関前で違う男性にもプロポーズされてたじゃあないですか!
結婚を焦って手当たり次第男を誘惑してるんですか?」

「は? ……誘惑? 誰が?」

「あなたですよ! 井上主任が御曹司でゆくゆくは実家の稼業を継ぐ人ですし〜
建築家としても 学生時代に賞も受賞してる人なんですよ! 
立川さんは、社長夫人を狙ってたんですか!」

「え?受賞? そうなの?知らなかったわ」

「惚けちゃって〜! 」


「わ〜! 個人情報ダダ漏れだな〜西山さん。」
西山が後ろを振り返ると、大輔が立っていた。

「あ、あ、違うんです! 
主任が騙されてると思ってですね〜……」

「西山さん、オレは騙されてないよ!
2年間も彼氏がいた真央に片想いだったんだから真央が彼氏と別れるのを虎視眈々と狙ってたのはオレなんだよ! ハハハ!
じゃあ、オレ達これからデートだから〜
お疲れ様〜! 」

大輔は、真央の肩を抱いて、玄関から外へ出て歩きだした。

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