縁は異なもの味なもの
「素かぁ〜 全部素だと思うけど…
大学1年の頃さ、TVの映画観て泣いた事があったんだよ。
そしたら爺ちゃんがさ、
"大輔、お前はいずれ井上不動産の社長になるだろう。
だから、
職場では感情をコントロール出来る人物にならなければ、大きな失敗に繋がるんだ。

一つの判断ミスで大勢の社員の人生を路頭に迷わす事になるんだ!

感情的に同情したくなる事もあるのは事実。
それでも見捨てなければならない時もある。
10年先に繋がる判断ができるような冷静さを身につけろ"
って言われてから自分の心を考えるようになったからかな?」

「大輔さんのお爺さんは、素晴らしい方ですね」


「ありがとう。 
爺ちゃんはオレが大学4年の時に老衰で亡くなったけど、優しい爺ちゃんだったんだよ……」

大輔は、どこか淋しそうな顔をした真央は大輔の手をぎゅっと握りしめた。
大輔は真央の顔を見て、そして笑顔になり手を握り返してくれた。

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