Livre magic〜魔法使いの告白〜
「僕とノワールは……その……普通の温かい家庭で育ててもらえなかったんだ。僕たちはお互い親から愛されなくて、居場所がなかったんだ。暴言は当たり前のように吐かれて、ひどい時には暴力だってある。その辛さを僕らは誰よりも知っている。だからお互いを支え合って生きてきた。そして二十歳になる前に僕は詩人に、ノワールは小説家として活躍し始めた」
「前世でも小説家だったんですね」
「何か、アイツらしいよな」
エリカとカズが口を挟む。メルキュールが微笑み、少しだけ張り詰めた空気が緩んだ気がする。
「ノワールは小説家としてすごく人気になって、書籍は何万部も売れて、サイン会を開くことも多かった。ずっと居場所がなくて、誰からも認められなかったノワールに、たくさんの応援してくれる人ができた。それは僕にとってもノワールにとっても嬉しかった。……すぐにその幸せは壊されたけど」
「どういうこと?」
リオンが訊ねると、メルキュールは少し躊躇う。そしてゆっくりと開かれた口からは、残酷な言葉が出てきた。
「前世でも小説家だったんですね」
「何か、アイツらしいよな」
エリカとカズが口を挟む。メルキュールが微笑み、少しだけ張り詰めた空気が緩んだ気がする。
「ノワールは小説家としてすごく人気になって、書籍は何万部も売れて、サイン会を開くことも多かった。ずっと居場所がなくて、誰からも認められなかったノワールに、たくさんの応援してくれる人ができた。それは僕にとってもノワールにとっても嬉しかった。……すぐにその幸せは壊されたけど」
「どういうこと?」
リオンが訊ねると、メルキュールは少し躊躇う。そしてゆっくりと開かれた口からは、残酷な言葉が出てきた。