泣き顔フライデーナイト
訳の分からないことを言ってくるし、もうっ、何なの?
「その桂木って人のこと、気になってるんだ、憂は」
「は」
……はぁっ!?
ちょ、まっ、なんっでそうなる!
「あり得ないから!憎たらしい性格してるし、黒髪でもないし、全然爽やかじゃないし!」
私のタイプじゃないっ。
本当、ぜんぜん、違うから。
ほんのり焦げ茶色の癖っ毛の髪
右耳の2つのピアスの穴
はは、と意地悪く笑う。
人のことすぐ煽るし、あの時だって、
……あの時だって、とても口が悪かったけど、私のことを助けてくれて……
「憂?」
あの他校の男子に腕を掴まれた時は、嫌悪感でいっぱいだったのに。