泣き顔フライデーナイト


***


「ちょっと、本当に行くの?」

「うん。とりあえず顔だけ見に行ってくる」



「心配だなぁ」と、そう言う亜子と駅で別れる。

亜子は、私が桂木のことを意識していると言った。


でも、私はそうは思わない。


だって、桂木は初対面の時から私に突っかかってきたんだから。

そんなムカつく奴のことなんて、好きになる訳ないじゃんか。



電車に乗って、向かう先は私の最寄駅。


この前の学ラン姿を思い出す。

あの制服は、確か最寄駅近くにある高校のものだ。
帰り道によく見かけていたから間違いない。


住宅街にあるあのコンビニでバイトしてるっていうことは、家もあの辺りなのかな?

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