泣き顔フライデーナイト
学ランの男子生徒、セーラー服の女子生徒。
桂木の姿はない。
明日の金曜日、あのコンビニに行くしかないか……
そう思って帰ろうとした時、男女の話し声が聞こえてきた。
「ハル、近いって」
「えー?冷たいなぁ」
男子の方の声に、聞き覚えがあった。
そっと辺りを伺う。
「あ……」
桂木が少し先の方にいた。
セーラー服を着た女子と腕を組んで、楽しそうに話をしている。
「ハル」と隣にいる子の名前を呼ぶ。
なんだ……。
彼女、いるんじゃん。
ほらね、やっぱりろくでもない。
彼女がいるくせに、"可愛いね"だなんて、私に言うんだから。
全く誠実じゃない。