泣き顔フライデーナイト
イ
思えば、桂木のことを嫌な奴だと思ったのなら、
すぐにお菓子を買うコンビニを変えれば良かったんだ。
それなのに、あのコンビニに行っていたのは、
少なからず、桂木との会話を楽しんでいる自分がいたからなんじゃないかな……
なんて、そう思っている。
『はぁ?桂木って人、彼女いたの?』
『うん……』
今日の放課後、桂木が女子と腕を組んで歩いていたことを亜子に伝えると、彼女は少し怒っていた。
『そんなことある?』って。
『でも、直接本人に聞いたわけじゃないんでしょ?』
『そうだけど……仲良さそうに歩いてたんだよ?』
そんなのを見たら、あの2人は恋人同士なんだなって思うに決まってる。