捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「そうですね」
同意して、少し言葉を探していると、お母さんはジッと俺の考えがまとまるのを待っていてくれているようだった。
「やっぱり、生まれたときから厳しかったので、こういった愛情がたくさんの家にあこがれたこともありました。本当に瑠偉にたくさんの愛情をありがとうございます」
お母さんの目を見てお礼を伝えれば、紗耶香によく似た笑顔を向けてくれる。
「いいのよ。可愛い孫と過ごせて得しちゃった」
クスクスと笑いながら、お母さんは棚の中からアルバムを出してくれた。
「これは瑠偉と同じぐらいのときの紗耶香ね」
面影があるかもしれない。可愛らしいワンピース着て笑顔を浮かべる紗耶香がそこにはいた。