捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
しかし、ギシっとベッドが揺れ、なぜか私の横に祥吾さんが座ったのがわかった。

どうして!

左半分が開いているのに、わざわざこっちに来ることないのに。

そう思ってはいるものの、眠っているふりをしている以上、なにも言えず私はそのままにしていた。

そっと優しく頬に何かが触れて、ゆっくりと顎が掬い上げられた。
え?
その行為に驚きつつ、動きを止めているといきなり唇が塞がれる。

「んっ……」
何度もキスをされ自分でも驚くほど甘ったるい声が出てしまい、慌てて目を開けた。

「やっぱり起きてた」

ゆっくりとリップ音を立てて祥吾さん少しだけ唇を離すと、クスリと笑いながら私の瞳を見つめる。

「わざとでしょ」
抗議しようとした私を諫めるように、また甘く口づけられる。拒否しようとすれば出来るのに、まったく嫌ではない自分に嫌気がする。

もっとと思ってしまい、トロンとしつつ唇をそっと開けば慣れたように、私の口内を我が物顔で祥吾さんは奪っていく。

「んんっ」
激しくなったキスに、声が漏れたところで隣でモゾモゾと瑠偉が動くのが解り、私たちは慌てて身体を離して横を見る。そして顔を見合わす。
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