捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「部長と新人?」
「ああ、覚えていないか? 長谷川は色々黒い噂のあった奴だよ。たぶん立花さんの退社を促したのもこいつじゃないか? そして新人の村本はどうして新人なのに入っていたのか」
龍も大きく息を吐きながら、パソコンを操作する。

「今その村本は?」

「そう言うと思って会うアポをとってある」

「さすがだな」
村本から何か糸口を掴めれば。そんな気持ちのまま俺は龍の集めてくれた情報をもう一度頭に入れた。
紗耶香に今日の夜、少し人とあって来ると連絡を入れて、遅くなることを伝えると、あっさりと実家でご飯を食べるから気にしないでと返事が来る。

昨日の今日で俺としては紗耶香と瑠偉と一緒に時間を過ごしたいのに、あっさりとした紗耶香の返事にため息が漏れる。

会いたいのは俺だけで、気持ちが折れそうにもなるのを何とか抑えると、俺は頭を切り替えた。

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