捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
急いで家に帰り玄関を開ければ、パタパタと瑠偉が走って来るのが見える。

「パパおかえり」

「ただいま」
答えながら瑠偉を抱き上げれば、その奥から紗耶香の姿が見えた。

「おかえりなさい」
言い慣れないのか、少し恥ずかしそうに言う紗耶香がかわいくて、俺は手を伸ばすと、紗耶香の頬にキスをする。

「ただいま」
つい触れてしまうのは仕方がない。紗耶香も特に何も言うことなく、瑠偉に笑顔を向けている。

「よかったね、パパ一緒にお風呂入ってくれるって」
「うん」

そのやり取りを聞きながら、俺はネクタイを抜き取る。

「紗耶香、バッグだけ向こうに置いといて」
仕事用のビジネスバッグを紗耶香に渡すと、浴室に向かう。
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