捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「瑠偉をお願いね」
少し心配そうな沙耶香に俺は苦笑する。

俺はそのまま、瑠偉と楽しいバスタイムを過ごした。

髪を拭きながらリビングへと向かうと、紗耶香はキッチンにいて、俺達に視線を向ける。

「瑠偉、ちゃんと髪の毛乾かした?」
「ああ、ドライヤーもしてきたよ」
瑠偉ではなく俺が答えると、紗耶香は安心したように頷き微笑む。

「祥吾さん、帰ったばかりで疲れたでしょ? ありがとう」

その言葉に、少し俺に対する態度が柔らかくなった気がして俺も笑みが零れる。
そして更にテーブルに並べられた食事に目を奪われた。

昔、きちんと人の気持ちを考えられる紗耶香が好きだった。今も変わっていない紗耶香に嬉しくなる。
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