捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

揺れる心

あれから数週間、私も瑠偉も祥吾さんと一緒の家に住むことにすっかり慣れてしまった。

その中で私が一番感じていることは、″祥吾さんは甘い“ということだ。


「どうした？」
そんなことを思いながら、ベッドの中で私は寝付けずにいると、暗闇の中祥吾さんが起き上がるのがわかった。
相変わらず、瑠偉を真ん中に寝ている私達。

「起きちゃった？　ごめんね」

「いや、起きていたけど」
その言葉と同時に、瑠偉をそっと優しく抱き寄せ少し端に寄せた後、自分が瑠偉のいた場所へと移動する。

そしてキュッと私を抱き寄せた。この腕のなかもすっかりと慣れてしまい、もはや本当の夫婦だと錯覚してしまう。

更に祥吾さんは甘い誘惑を仕掛けてくるが、私がOKと言わないこともあり、身体を繋げることはしていない。
それでも、こうしてベッドの中で抱きしめられ、髪を撫でられると安心してしまう。