捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「そう言うと思った。でも、あの時、紗耶香はただ一身上の都合で辞めただけだし、あの事件を知っている人間はそういない。だから大丈夫だよ」
そう言いながら何度も祥吾さんは触れるだけのキスを繰り返す。
「うん。でも……」
まだ何かを考えてしまいそうな私を諫めるように、祥吾さんは私の上に覆いかぶさるように姿勢を変えると、上から私を見下ろした。
「大丈夫。紗耶香は何も悪くない」
それだけを言うと、それ以上私に何もいわせないといわんばかりに、激しくキスを仕掛けてくる。
「んんっ」
つい、上ずった甘ったるい声が出てしまうも、それすら気にできないほど祥吾さんはキスをする。淫らな水音が寝室に響いてドキドキしてしまう。
自ら首に手を回そうとしたのを、祥吾さんがそれを阻止する。