捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「ダメだ。まだ紗耶香の許可が出てない。これ以上行けば俺は止まれない」
そう言うと、私をキュッと抱きしめる。

「早く俺に落ちて」
耳元でささやかれ、私の方こそやめて欲しくなくて、もういいのではないかそんな気さえしてしまう。

でも、それでも、どこかでひっかかり、すべてがクリアになっていない思いがあるのも事実だ。
これほど自分が面倒な女だったと気づくも仕方がない。

祥吾さんはそれを察知するのだろう。
大きく息を吐くと、私を抱きしめなおす。

「紗耶香が眠りに着くまでこうしてる。明日は大丈夫だから、ゆっくりお休み。何が起きても俺が守るから」

その言葉がゆっくりと浸透すると、私は驚くほどすぐに眠りに落ちていた。


朝起きれば、いつも通り瑠偉を真ん中に眠っていて、祥吾さんが約束通り私が眠りに着くまで抱きしめていてくれたことがわかる。

この人を信じたい。心の底から。

そう思いながら祥吾さんの綺麗な寝顔を見つめ、二人を起こさないようにそっと私は寝室を後にした。
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