捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「瑠偉、おはよう」
まだ目覚めたばかりでぼんやりとしているようで、瑠偉は視線をさまよわせたまま「おはよう」と口にした。

「瑠偉、おはよう」
祥吾さんの声に、瑠偉はその方を見るとぴょんと起き上がった。

「あっ、パパいる」

「そうか、昨日は会えなかったな。ただいま」
そういいながら手を広げれば、瑠偉はぴょんと祥吾さんに抱き着く。

「あつ、瑠偉だけずるい」
ふざけて言えば、祥吾さんが片手に瑠偉を抱いてもう一方の手を広げる。

「こっちはママ。おいで」
その言葉に私も祥吾さんの腕の中に飛び込むと、三人でベッドの上でじゃれあった。
こんな幸せな日が来るなんて思わなかった。
涙がこぼれそうになるのを我慢するも、やはり涙が落ちる。

「二人とも大好き」
私はそう伝えると、涙をぬぐった。

< 221 / 251 >

この作品をシェア

pagetop