捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「ねえ、祥吾さんのご両親はいいの? 今年は土曜日だよ」
つい言葉を掛ければ、祥吾さんは少し顔をしかめた。

「別にいいよ」
その答えに、今の状況を冷静に考える。

自分のことばかりで、祥吾さんのご実家のことなど考えていなかった。
お付き合いとは違い結婚となればいろいろなことがあるはずなのに。

自分勝手に東和一族の子を産み、いきなり祥吾さんを未婚のまま父親にしてしまった。

籍を入れたときも、祥吾さんは私の実家に挨拶をしてくれたのに、私は祥吾さんのご両親が許可をしてくれたかも確認していない。

はっきり言ってスキャンダルだろう。婚約者の話すらあったはずだ。
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