捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「約束の物を持ってきたの。使ってくれるかしら?」
お母様の後ろでお父様が紙袋を持っていて、私の前のテーブルに置く。
スタイリストの女性がそれを確認するように手にした。

「本当によろしいんですか?」
私の言葉に、私の母も祥吾さんのご両親を見つめる。

「使って欲しとお願いしたのは私の方よ」
中を開けると、キラキラと光るダイアモンドのティアラとネックレスが現れる。つい感嘆の声が漏れるほどそれは素晴らしくキレイだった。


あの後、きちんとご挨拶をしたいといった私に、祥吾さんも了承し一緒にご挨拶に伺った。
今までの事をお詫びをすれば、祥吾さんから聞いていた話とは違い逆に深々と謝罪された。

厳しく育ててきたせいで、お互いなかなか本音で話をできない環境にしてしまったことを、お母様は後悔していらっしゃるとおっしゃっていた。

私と瑠偉を溺愛する祥吾さんを見て、愛情が育っていなかったらと心配をしていたが、本当によかったと喜んでくれた。
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