捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

これからは祥吾さんとの関係も、きっといい方向に行く気がする。

その時、結婚式の話をすれば、東和電機の子息ともなれば大規模な式などをしなければと思っていたが、祥吾さんが断固としてそんな形式だけの式はしないと言い張った。

『この子は昔から言い出したら訊かない。仕事でも実力で認めさせてきた。好きにすればいい』
お父様もそうおしゃってくれ、お母様は代々東和家に伝わるこのティアラのセットだけは使って欲しいと言ってくださった。それがこれだ。


スタイリストさんが最後にティアラを頭に乗せてくれると、一気に華やかになる。

「よく似合ってるわ」
お母様の声に、私も嬉しくて笑顔になる。

「じゃあ、紗耶香後でね」
両親たちが出て行ってしまい、一人になった私はジッと鏡に映る自分を見つめた。
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