捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「手洗ってきて。おやつにしましょう」
瑠偉たちの後ろから、大村専務と祥吾さんが笑いながら入って来る。
今ではすっかり仲良くなり、会社の経営者として色々意見を交わしたり、二人で飲みに言ったりしている。

4人が戻って来ると、お茶を入れケーキを食べていると、部屋に泣き声が響く。

「あ、天音が起きた!」
ケーキに夢中だった瑠偉が、一番に椅子から降りるとベッドへと走って行く。
私が行こうとすると、祥吾さんが笑顔で私を制する。
「紗耶香、いいよ。ゆっくりしてて。俺が行く」
祥吾さんはコーヒーカップを置くと、私の髪に触れた後瑠偉を追いかける。

「今じゃあの頃が嘘みたいに、祥吾は立花に甘いな」
クスリと笑う専務に、私も言い返す。
「よく言いますよ。専務だった鏡花さんにべたぼれのくせに」
そんなことを言っていると、祥吾さんが私たちのお姫様の天音を抱いて戻って来る。
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