捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

だから、何をみんなに言われてもいいのだけど……。
そんなことを考えていると、いつのまにか専務室のドアが開けられていた。

「ほら、立花入って」
さすが御曹司で元遊び人の専務はエスコートも完璧だ。
そんなことを思いつつ、お言葉に甘えて専務室の中へと足を踏み入れた時、後ろから嫌な声がしてびくりと動きを止めた。

「立花?」
いきなり動きを止めた私に、専務が不思議そうに声をかけた。

「東和社長よろしくお願いするよ」
「こちらこそお願いします」

それは隣の副社長室から聞こえた声で、専務もその方へと視線を向ける。
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